前回の続きです。
井本整体では、型がとても重要です。井本先生は「型さえできていればなんとかなる」と、仰っていましたね。手はいつでも、体の中心に持っていきます。剣道でいわれる正中線です。そうしないと腰で押せない、手で押すと痛いのです。そして相手の体は痛みに対して抵抗をしてきますので、やればやるだけ、筋肉が硬くなってきます。だから揉まれに揉まれた肩等は、とても厄介です。

型が決まり、優しく触り、硬結を見つけ、それが逃げないように四指（親指以外の4本の指）で壁を作り、腰から入っていくと、相手はどこから力が入っているかわからないんです。手で押すと手だとわかりますが、体は腰から入るとわからないんです。だから抵抗のしようがない。
常に手を体の中心に持っていくためには、ベッドでは100%不可能です。
ですから、ほんとうの整体は必ず布団を敷いた状態で、正座、片膝立、中腰で行います。

型と言うと難しく感じられるかもしれませんが、要は腰が常に反った状態で、手が体の中心に常にあるということだけです。

型に関しては、整体だけでなく、古武道、合気道、剣道、弓道、茶道、華道、書道他、日本の伝統的文化と同じです。それらをやっている人はみんな姿勢がいいですね。そして動きがとてもきれいですね。整体も同じです。野口先生は、動きがまるで、流れるようだったとお聞きします。

型は、最初は意識してやりますが、そのうち本能が思い出してくる。そして正しい、これは違うが、すぐわかるようになってきます。だから、意識では知らなくても、体はちゃんと知っている。それを引き出せばいい、そう思いましたね。本能ってすごいですね。
また、テレビなどで剣道、弓道などをみると、いつも思いますね。型がきれいだなと。
続く